鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
本当は鏡なんて見ない主義なんだけど、みっちゃんが身だしなみはちゃんとしろって、この前怒られし。
みっちゃん、怒ったら怖いんだよね。
後ろに般若と死神様が現れる感じだよ?
想像しただけで恐ろしい!
『真白、まだか?』
1人で妄想に浸っていると、更衣室の外から斎藤君の声が聞こえてきて、慌てて外に出る。
『ごめん! 遅れた』
いやっ、別に時間指定されてないから遅れてはないけど!
なんかね?
斎藤君の雰囲気的に、私が遅刻した感がかもちだされてるものですから。
『お前、方向どこ?』
裏口から店を出て、そう言った斎藤君に一瞬固まる。
うん。だよね?
斎藤君は、私の家なんか知らないよね?
なんかよかったよ。
さっきちょっとビックリしちゃたんだよね。
『私右だよ??』
私がそう言って右方向の道を指すと、何も言わずに斎藤君がそこに向かって歩いていく。
……斎藤君⁇
声には出さず、後ろから斎藤君の姿を眺めながらボーッとしていると、いきなり戻ってきた。