鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『ちょっ…危ねえっ‼︎』
『わっ…』
ボーッと歩いていた私の腕をいきなり後ろに引かれ、そのまま後ろに倒れこんだところを祐希君に抱きとめられる。
『前見てた?
ぶつかるところだったぜ⁇』
そんな祐希君の言葉に前を見ると、私の進行方向に電信柱が立っていて。
思わず、ぶつけてもいない額を抑える。
あのまま進んでまたら、絶対ぶつかってたよね⁇
『祐希君、ありがとう』
『危なっかしい奴だなー』
お礼をいった私を離しながら、祐希君が呆れたような笑みを浮かべた。
『そろそろ着くけど。手、繋ぐ?』
『へ⁉︎』
私に手を差し出しながらそういった祐希君に、顔がだんだんと暑くなっていく。
祐希君、これからかってるんだよね⁉︎
これが素だったら、天然タラシだよ? もう、ムードメーカー的存在でおさまらないからね?
『じょ、冗談はほどほどにしてよ? 祐希君!』
そんな祐希君の手を叩いて、軽くそう言う。
何でトキめいたんだろう、私。
……今のが斎藤君なら、なんて思っちゃったし。
『結構本気だったんだけどな』
『祐希君、何か言った?』
『なにも言ってねえよ』
小さく何かつぶやいたように思ったんだけど、気のせいかな?
そう言えば、結局、あの時斎藤君が言おうとしてた事って何だったんだろ?