放課後、ずっと君のそばで。


その言葉を合図に、私の中の何かがプツンと切れた。


コントロール出来ない大粒の涙が、コロコロと頬を伝う。


うわぁぁと、大声を上げて泣く自分に驚いたけれど、溢れる涙を抑えることは出来ない。


呼吸も乱れる。

頭も痛くなる。


自分の体なのに、そうじゃないみたいに制御不可能。


怖かったんだ。


スランプも、オーディションの結果も。

それになにより、お母さんのことも。


お母さんが倒れているのを見て、何もかも失ってしまうんじゃないかって思った。


うまくいかない現実を避け続けてきた、自分への罰なんだって。


怖くて、怖くて......。


だけど、それを誰にも言えなくて......。


誰にも......。


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