だから、お前はほっとけねぇんだよ

……琥侑に心配かけたら、海に来た意味無いもんね。



「うんッ大丈」
「ナニ!?」



あたしの言葉に思いっきり被さってきたのは、紛れもなくてんちゃん。



「姫瑚!調子が悪いのか?大丈夫なのか!?」



突然、てんちゃんはあたしの肩を持ちグラグラと頭を揺らす。

……い、いだいんですけど。



「……うん、大丈夫だょ……?」


「本当か!?」


「うん……だから放して」



動揺した様子のてんちゃんに、あたしは優しくかつハッキリと言葉を述べた。


……なのに、



「本当に大丈夫か?無理してるんじゃないか!?」


「……っ」



どうやら、てんちゃん聞く耳持たず。

横目で琥侑の様子を窺うけれど、視点がぶれて表情が見えない。



わーん‼

誰だ、てんちゃん連れて来たのはーー‼‼

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