GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
「何ですって?!あなただって父親らしい事なんかしたことないじゃないの!」

険しかったママの顔が更に険しくなる。

私は無言でママの脇をすり抜けると、二階へと駆け上がった。

「デザイナーである前に君は母親だろう!」

「あなただって父親でしょう?!仕事に逃げてきたクセに……」

「藍、待ちなさい!ママ、明日にはパリに立たなきゃならないのよ。一週間で戻るけどくれぐれも」

部屋のドアを勢いよく閉めるとその場にしゃがみこんで、私は両耳を塞いだ。

そりゃあ、有名デザイナーだもんね。娘が非行に走ったりしてマスコミに叩かれたらブランド生命に関わる。

ママはいつだって自分のブランドを守るのに必死なんだ。
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