GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
けれど律はそんな言葉を口にするどころか、ニコリともせずに私を見下ろして唇を引き結んでいる。

ヴァンパイア……ヴァンパイアって……。

相変わらず律の瞳は燃えるように赤い。

昨日の昼間とは全然違う。

私は尋ねた。声が掠れる。

「……本当に?」

「うん」

「今のは……催眠術?」

「暗示」

「………」

律は短く答えながら尚も私を凝視した。

考えろ。考えろ、私。

私は昨日の律との出会いを思い返した。

偶然だと思っていたあの出会いが、実は律の作り上げたものだったら?
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