GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
「はい、気を付けて行ってらっしゃい」

カチャリとドアが閉まり、それを見届けた律がホッと息をついた。

「律、今の」

心臓がバクバクと音をたてて脈打ち、それが痛いくらい身体に響く。

今のは、なに?

そう訊きたい私の気持ちを予想していたのか、律は私を見下ろしてゆっくりと口を開いた。

「俺……ヴァンパイアなんだ」

ヴァンパイア……?

ヴァンパイアって、あの、血を吸う……?!

私は食い入るように律の眼を見つめた。

「……」

『なーんて、冗談だよ』とか『嘘だよ、本気にした?』とかいう律の言葉を待っていたから、私は黙って律を見ていたのだ。
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