Sweet Hell

”君の美しさ、年齢、出身が日本だということが気に入った。
年下の男性は平気？”

え！？

私は思わず電車の中で声を上げそうになった。

他はともかくとして年齢が気に入ったというフレーズに驚きを隠せなかった。

17歳って高校生よね？それが30歳の女性を気に入るなんて・・・。
日本じゃ絶対に考えられないことだった。

なんと返答すればいいか、戸惑ったものの私は英語で
”ありがとう”とだけ送った。

私は携帯を鞄の中に入れるとそのまま職場に向かい、
仕事中は彼のことを忘れていた。

休憩中、何気なくあのサイトを開いてみると
思わず飲もうとしたコーヒーを吹き出しそうになる程
思わぬ発言メッセージが届いた。

”もし、君が僕の隣にいたら、その可愛い唇にキスが出来るのに・・・”

「えぇえ！？」

思わず大声で反応してしまったためラウンジにいた人が一斉に私の方を見た。
私は恥ずかしくなりその場をそそくさと出るとトイレの個室の中に入った。

そしてまたあのメッセージを見た。

その可愛い唇にキスがしたいなんて・・・
一度も言われたことないよ・・・・。

恥ずかしくなって私は携帯の画面におでこをコツンと付け目を閉じた。

アメリカ人男性ってこんな感じなのかな？
こんな恥ずかしいセリフを言うんだ・・・・びっくり。

私は、一つ深呼吸をすると彼に”ノーセンキュー”と返事を送った。
携帯をポケットの中に仕舞うと、トイレから出てオフィスへと向かった。