Sweet Hell

帰宅すると私は何も考えられなくなってベッドの上に仰向けに寝転がった。

秋葉さんの優越感に私は嫉妬してた。
もう30歳なのに私はまだ彼氏すら出来てない。
良いなと思った人は別の人と付き合っちゃうし。
私は惨めだと思った。

「泣きたい・・・」

そう思ってふとあることを思い出した。

「そういえばあの申請どうなったんだろう。きっと落ちてるよね」

私は体を起こすとパソコンの電源を入れた。
beautiful-love.comのサイトを開くと
なんとか申請が通り、会員になっているとの知らせが届いていた。

「え！？マジで？」

私は驚きながらもサイトの中を見てみると
私の他にも色んな国々の美しい人達の写真や情報が開示されていることに気づいた。

「あ、本当に入れたんだ。すごい」

そして私は、プロフィールを設定することにした。

「ニックネームかぁ。楓だから・・・メープルって書いておこうかな。
それだったら外人にも分かりやすいし」

ニックネームにmapleと入れると年齢には30歳等々、
簡単な情報を入力していった。

プロフィール画像も申請の時に使用した写真ではなく
新たにアプリを使って可愛い自撮り写真に変更した。

「こんなもんかなぁ。まぁ、よく分からないからこれぐらいにしとこう」

プロフィールの設定が終わると
サイトの中をまた見始めた。

そのサイトにはパーティの催しもあり、サイトの会員だけが
参加出来るようになっているみたいだった。

試しに見てみたら開催場所がイングランドになっていた。

「あー絶対無理！行けないし、英語話せないし。
って、そもそも英語あんまよく分からないのに
なんで私このサイトに申請しちゃったんだろう・・・」

成り行きとはこういうことを言うのであろう。
私は、パソコンの電源を切るととりあえず
お風呂に入り仕事の疲れを癒した。