Sweet Hell
「ねぇ、私たちが泊まるホテルってどこ?」

「カメリアメゾンだよ。」

「え!?あの坂の上にある高級ホテル!?高かったんじゃないの?
すごく人気あるのよ。良く予約取れたわね」

「半年前から予約したんだよ。庭園が見渡せる部屋が取れたよ」

「わぁ、素敵」

シャンパンが届き私たちはまず乾杯をした。

「実は楓に話したいことがあるんだ」

「え?何・・・」

「実は・・・」と言って彼が鞄を取り出すと
ガサゴソと何かを探し始めた。

「あれ?どこだ?」

彼はテーブルの上に名刺入れや財布、定期入れを
置き始めた。

「あれ?その定期入れ・・・」

「あぁ、これ?」

高級なフランス製の皮で出来た新品の定期入れがそこにあった。

「昨日飲んでたらさ、俺の定期入れがボロいって話になって
それでみんなが俺にプレゼントしてくれたんだよ。
男同士なのにプレゼントなんて気色悪いよな」と笑って彼が言った。

「そんなことないよ。素敵だよ」

「そうかぁ。あぁ、あった。あった。」

彼は、テーブルの上に出した小物を鞄の中に戻すと
「後で渡す」と言って鞄をまた下に置いた。

パスタやピザが運ばれてきたので
私たちは食事を楽しんだ。
けれど、心の中は定期入れのことでショックを受け、
買ってきたプレゼントをどうしようかと考えていた。
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