一枚から始まったラブレター
お母さんは手紙がよほど気になるのか、テーブルを拭きながらちらちらと見てくる。


手紙の差出人はさーくん。
前に届いた手紙の人と同じ人だった。

手紙の内容を読むと、前に比べて少しずつではあるが、字がはるかに成長していた。


"ぼくが今から君にミッションをあげる

いっしょに星を見よう!!

はなれていても、ずっといっしょだよ"


今考えるとこのさーくんって、10年前に転校して行った咲人なの?


はなれていても、ずっといっしょだよって。

でもそんなはずないよね。
もしそうなら何でこどもの字なの。

もし10年前だったら今17歳だから7歳の頃か。

咲人は小学生の頃から大人びていて、漢字が何より好きらしく、皆からは漢字博士って呼ばれていたっけ。


何だか懐かしいなぁー。


私の忘れかけている記憶を、もしかしたら思い出させようとしてくれているとか?


まさかね。
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