一枚から始まったラブレター

letter 2 一緒に星を見よう

あの手紙が届いてから一週間が経った。
その後は特に進展はなく、気にせず過ごしてきたが、やっぱり頭の片隅では気になってる自分がいる。

私が住んでいる町にも、もうじき雪が降る。
白い雪化粧が町一面を覆う日が近い。

もうコートなしでは寒いし、白い息が宙を舞う。


「けい!また何か届いていたわよ
また同じ人かしら。」


ソファーでいつものようにくつろいでいると、お母さんが私に声を掛けた。

今日は日曜日だから郵便配達はお休み。
昨日は来ていなかったし、真夜中にでも誰かポストに入れたのかな。


「ありがとう」


寒さから抜け出せない私は、ソファーに寝転がって大きな膝掛けに潜っていた。

ひょこっと顔を出して、その手紙を受け取る。

ゴロゴロばかりしていても、お母さんは怒らない。
なぜならやるときはやる人だから。

前日に勉強してテストに挑んでも、ギリギリ赤点は取ったことない。
それ以前に、それなりに点数が取れる科目がある。

やはり授業中先生の話を聞くのは大切だ。


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