幼馴染はどこまでも俺様過保護
澪ちゃんに『事務所の社長の決定事項だから断らないでね?』と言われ、半強制的に澪ちゃんの仕事に使う用にアクセサリーを作る事になった。
澪ちゃんはテレビや雑誌の仕事の他にもあらゆる仕事に私の作るアクセサリーを付けるようになった。そのお陰で私の作るアクセサリーが世間を騒がせる事になり、ネットでは、謎のアクセサリー作家について盛り上がっていた。
書き込みには『以前フリマで買ったmiu.la.umiのクセサリーが噂のアクセサリー作家だと思う』とか『miu.la.umiの作品が澪のつけるアクセサリーに似てる』など私の正体がバレそうになって来ていた。お陰でフリマに出る事も出来なくなりストレスが溜まり始めていた。
あーもう無理!
数カ月大人しくしていたが、これ以上は我慢出来無いと、作り溜めしたアクセサリーでフリマに出店する事にした。フリマが始まると直ぐに人で賑わい始め、活気が合ってとても楽しい一日になりそうだとお喜んでいた。
しかし、私が思っていたよりも騒ぎは大きかった様で、若い子の「居た!!」と言う一言で私の店先には人だかりが出来てしまった。
なっなに…
何事かと驚いている間も私のアクセサリーは売れ、出店して1時間もしないうちに全て売り切れてしまった。
今のは何だったの??
嵐の去った後、途方に暮れている私の前に女の子がひとり立っていた。
「ん?なに?」
「もう無いですか?」
中学生だろうか?ショルダーバッグを肩に掛け、お財布を握りしめていた。
「え?ああ、ごめんね?全部売れちゃった」
「そうですか…」
肩を落として、帰って行こうとする女の子の背中がとても悲しそうで、私は思わず呼び止め近くのベンチに座り、話をすることにした。