幼馴染はどこまでも俺様過保護

女の子の名前は幸(ユキ)ちゃん中学2年生で、もう直ぐ誕生日の妹の為に毎週いろんな所で行われるフリマを廻り私を探してくれていたと言う。

「そっかー探してくれたんだ?有難うね」

「私達、小さい頃から澪ちゃんのファンで、妹にプレゼントは何が良い?って聞いたら、澪ちゃんと同じ物欲しいって…でもネットに出てる物だと高くて買えないから…今度は何処のフリマに居ますか?教えて下さい!次はもっと早く行きますから!」

オークションか…そんな事になってるなんて…知らなかった。

必死に言う幸ちゃんには申し訳ないけど、オークションの話を聞いたら、もうフリマに出る事は出来無い。さっきの騒ぎで、近隣に出店していた人達にも迷惑を掛けてしまったし…

私の作った物を気に入ってつけてくれれば嬉しい。でもそうじゃなくて、転売目的で買われる様になって居ると思うと悲しくなる。

「もう…フリマには出店しないと思う…こんな騒ぎになるといろんな人に迷惑掛けるから…ごめんね?」

がっかりする幸ちゃんを前に私は自分の付けていたブローチを外した。

「ねぇ?ひとつ約束してくれるなら、これあげる」

私が出した条件は、いつまでも家族と仲良くする事。私が一生出来ない事を幸ちゃんに条件として出したのだ。

「うん!約束する」と幸ちゃんは笑顔で約束してくれた。

こんなに妹想いの幸ちゃんの家族なら皆んな優しくて、暖かい家族なんだろうな…きっといつまでも家族仲良く暮らすよね?羨ましい…

私はカバンからペンチと金具を出し、私が付けていたブローチと揃いで作ったピアスをイヤリングに直し、小袋に入れた。ブローチは幸ちゃんの妹へ、そしてイヤリングは幸ちゃんへとプレゼントした。

幸ちゃんはとても喜んで帰って行った。あの子なら大切にしてくれるだろう。私はそれだけで嬉しい。





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