幼馴染はどこまでも俺様過保護
え?おば様は私が和也にお金を渡していたことを知っていたの?
おば様は、私が井上様のお宅に伺う前に、会社の前で和也にお金を渡している所を、上から見ていたと言う。そして、前にも1度見た事があったと言う。
見られてたのか…
そうだよねあんな所じゃ、誰かの目に止まってもおかしくないよね… 気を付けるべきだった。
澪ちゃんは隼翔の話を聞いて、ずっとごめんなさいと謝ってくれてる。
澪ちゃんにこんな思いさせて、ごめんね…
「で、瞳さんは諦めてくれるかしら?」
おば様が心配そうに聞く。
「いや、諦めないって言ってたから、また、なにか言ってくるだろ?」
「じゃ、どうする?」
今まで黙っていたおじ様が隼翔に聞いた。
「蒼海にはもうアクセサリーは作らせない。井上様にも俺からお断りする。澪も良いな?」
澪ちゃんは、うんと返事をする。
「ちょっと待って!井上様はお得意様のなかでも1番のお得意様だよ!1度受けた話を断るなんてダメだよ!澪ちゃんの写真集だってまだ終わってない!せめて井上様のお祝いの品と、澪ちゃんの写真集の分だけでも作らせて!」
「ダメだ!!」
「どうして?私が作りたいの!」
「澪の写真集でまた蒼海のアクセサリーを使ったら、今まで以上に騒ぎが大きくなるかも知れない。デパートの方からも話が来てるくらいだからな」
確かにそんな話は上がっている。でも…
「あの女はきっと蒼海に言い寄って来る。だからアクセサリー作家miu-la-umiはもうアクセサリーを作らないと公表する」
「今、私が作るの辞めたら、澪ちゃんの写真集はどうなるの?途中まで録り終えてるんだよ?」
「仕方ない。撮り直ししてもらう。事務所の社長には俺からも事情を説明して、これに伴う損害賠償も、俺の方で持つ!良いですよね?父さん」
「そうだな?それで澪も良いかな?」
澪ちゃんも社長には私からちゃんと話します、と言う。