ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


テーブルの上を見ると形が全く欠けていないオムライスと半分食べられたオムライスがあった。

せっかく来たのに食べないなんて……と思いながらも早くここから出たかった。あきくんに引っ張られるまま店を出た。

会計はあきくんがしてくれた。ボーッしてて財布を出すということすら頭になかった。

ヒデキさんに気づかれなくて良かった。誘いを断って気まずいのもあるし、あの楽しそうな空間にわたしが視界に入ることで何か思われることが嫌だったから。





「あゆさん、何かあったの?」

気づいたら自分の家に帰っていた。ベッドに2人で並んで腰を掛けていた。

ここに帰ってくるまでの記憶がない。帰り道あきくんはわたしに話しかけたのだろうか。ボーッとしてちゃんと返事が出来ていない気がする。

外はまだ明るい。映画だけ見て帰ってきたから日が暮れるはずもない。

ゆっくりと隣にいるあきくんを見る。彼はわたしと目が合うとポンポンと頭を撫でた。

もうあきくんには話していい気がする、そう思った。


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