ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
優しく口角をあげてわたしを見つめる。会うときにいつも見せていた表情。年下のわたしを見守るような瞳。
少し久しぶりに会うというのに向こうは全くそんな感じを見せない。わたしは久しぶりで少し動揺してるというのに。
気まずそうな雰囲気は全くない。
「あゆ」
名前を呼ばれて少し懐かしい感覚。会わなくなって、たった数ヶ月なのに。ああ、わたしこの人のこと本当に好きだったんだなって、あの時の愛しい気持ちが蘇る。
わたしがずっと黙って見つめているからか、タクヤさんはフッと笑った。
「俺ね、あの時あゆに突然“もう無理です“って言われた時は頭が真っ白になったんだよ。会っている時に全然別れたい素振りも見せなかったし」
それはタクヤさんのことが好きだったからだ。
「理由も話してくれなかったし」
それはタクヤさんの家族の暖かさを見てしまったからだ。
「俺ね、あゆといた時間本当に楽しかったんだ。だから会えなくなって寂しかった」
“寂しかった“
その言葉に胸がぎゅっとなった。絶対にタクヤさんはそんなこと思わないと思っていた。家族を選んでわたしに子供をおろしてくれと言った人がそんなこと思うなんて。