ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
驚いた。
この遊べる時期にバイト詰めるなんて、やっぱり何かあるのかな?
気になるけど、人様の家庭の事情に首を突っ込むわけにはいかない。
聞かれたら嫌なことだってあるだろうし。
もしかしたらバイトが好きなだけかもしれないし。
「あゆさん、明日も頑張りましょう」
ガッツポーズをして、目がなくなるくらい笑う。
「バイト頑張ってね」
彼につられて、わたしもガッツポーズをした。
この部屋を誰よりも早く出るあきくんの背中を見たあと、自分のスマホを見る。
新着メッセージが1件。
『今晩空いてるかな?』
メッセージの相手はカオル……でない、ヒデキさんだ。
ヒデキさんともサイトで出会った。
ヒデキさんは35歳、会社員。
ふと、あきくんの顔が浮かんだ。
スマホを触る指が止まる。
あきくんスマイルを思い出したら少しだけ胸がチクリとした。
まさかわたしがこんなことしてるなんて思ってないだろう。
あきくんにはこんなオトナになって欲しくないな、と思いながら指を再び動かし、返信をする。