ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
女のわたしより大きくて、少しこわばっている手。
下心のない男の人の手に触れるのが久しぶりで緊張する。
マジマジとあきくんを見つめる。
見つめていると、あきくんの視線がわたしの手からわたしの顔へと上がってきた。
「そんなに見つめられたら恥ずかしいですよ。おれが利用者役の時同じことをしますよ?」
「なっ」
可愛くない声が出てしまった。
「そんな嫌そうに言わないで下さいよ、傷つきますよ」
傷つきますよ、と言いながらも彼の口角は上がっている。
わたし、もしかしていじられてる?
「あきくん、年上をからかったらダメよ」
「あゆさんに見られてちょっと恥ずかしかったから、つい言っちゃったんですよ」
恥ずかしいのはわたしの方だ。
あきくんは全然恥ずかしがっている様子じゃない。
「あゆさんって、反応可愛いですよね。いじりたくなります」
やっぱり面白がっている!
なんだろう、こう、セックスの時に可愛いとか好きとか言われても素直に言葉が自分の中に入ってくるのに、こういう日常の場面で言われたらすごく恥ずかしい。
下心が見えない人の言葉はわたしを緊張させる。