ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
「そうなんですね。じゃあ、今日はゆっくり過ごして下さいね」
洗い物が終わったのか、水が流れる音が止まる。タオルで手を拭き、部屋に戻ってくる。
「じゃあ、電車の時間あるのでいってきます。お昼ご飯は冷蔵庫の中に入れてます」
あきくんはバイトの制服を入れた手提げ袋を持って玄関に向かう。
「今日は17時にバイト終わるんで、夜ご飯はまたバイト終わってから作りますね」
「うん、分かった。あきくんいってらっしゃい」
「いってきます」
わたしに向かって手を振って、玄関のドアを開けた。手を振り返すと彼の姿は外へ消え、ドアが閉まった。ガチャっと鍵が閉まる音が部屋に響く。
あきくんの姿が見えなくなったのを確認してから、スマホに届いているメッセージを確認する。
《あゆちゃん、今日の夜に遊びに行ってもいい?》
カオルだ。
そうだ、カオルに家に泊まれないことを言ってなかった。
画面をスライドして文字を打ち込む。
《ごめん、親戚のお姉さんが1ヵ月くらい家に泊まるからしばらく家に泊めること出来ない》