ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


「バイト仲間から昨日お花見行ったって言ってたのを聞いて、見に行きたいなって思って。せっかくだし、あゆさんもどうかなって」

あきくんは台所に行き、冷蔵庫を開ける。中から買った覚えのない缶ビールを取り出してわたしに見せる。

「ちゃんとビール買ってますよ。おつまみも用意してます」

頭の後ろに手を置いて笑いながら言う。

準備が早い。ここまでされたら断るという選択肢はなくなる。

「よくわたしがビール好きって分かったね」

「冷蔵庫は料理する時に覗きますから。前ビール置いてて、あゆさんはビールが好きなだなって思ったんです」

確かにわたしはあきくんが来てからの3日はまともに冷蔵庫の中身を見ていない気がする。

「帰りに駅の近くにある公園覗いたら桜が綺麗に咲いていたので、そこ行きましょう」

「ここまで言われたら断るって選択肢なくなるね」

思わず、ふっ、と笑ってしまった。

その笑顔で言われたらなんか折れちゃうし、なんだかとても癒されるんだよね。

「あきくん、一緒に行こうか」




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