ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


擦り合わせていた自分の手がピタッと止まる。暖かいものがわたしの両手を包んでいた。

あきくんの手だ。自分の手にまとわりついた氷が溶けていく感覚。

「あゆさんの手は氷みたいに冷たいね。おれの手暖かいでしょ」

さっきまでコーラを持っていたはずのその手はとても暖かい。

「講習であゆさんにギュッと手を握られたから、そのお返し」

そういえば、そんなこともあった気がする。あの時に実感した"男の人の手"。

やっぱり少し緊張してドキドキする。どうも手を握られるっていうことには慣れていないみたい。

今回はドキドキだけじゃなくて、温もりを感じる。あきくんの体温を感じて、優しい気持ちになる。

「手をずっと握られてたらビール飲めないよ」

「あっ、そうか。ごめんね」

パッと離れる暖かい手。手が一気に冷たくなる感覚。

「そういえば、あゆさんって何歳だっけ?」


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