ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


服の中に手が入りそうになったところで、あきくんの動きが止まった。手がわたしから離れる。

薄暗くてハッキリと見えないけど──彼の手が震えているように見えた。

「あゆさん、ごめん。みっともないね」

「あきくん……」

あきくんの震えている手を両手で包み込んだ。

「大丈夫。あきくん、大丈夫だよ。わたしはあきくんを受け止めるから」

「……あゆさん」

あきくんの手が再びゆっくりと動き出した。

わたしはあきくんの耳元に顔を近づけ、彼の耳たぶを甘噛みした。

「……っ」

くすぐったかったのか、首をすくめる。

「あきくん、わたしね、耳を噛まれるのが好きなの」

カオルにもヒデキさんにも言ったことがない。自分を攻略されるのがなんだか負けた気がして。

でも、あきくんにはそういう勝ちとか負けとかそういうのは存在しない。あきくんに自信をつけてもらうための行為だから、わたし自身も気持ち良くなる必要がある。

そういう“乱れたわたし“を見たら、自信を持てるんじゃないだろうか。


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