ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


並んでベンチに腰をかけて、一緒に桜を見上げる。続けて同じところに座ると、わたしたちの特等席だなって思う。

「綺麗だね」

ポロッと口から出た言葉。

桜を見たのは今年3回目。回数見てるからかな、桜っていいなって思う。桜が綺麗に咲いているのも、舞い散る姿も、素敵だなって思う。

「綺麗だよね。おれ、桜好きなんだよね」

あきくんの方を見ると、桜を見上げている横顔が視界に入る。あまり意識していなかったけど、鼻筋が通っていて、横顔がとても綺麗。

「そうなんだ」

「うん。嫌なことがあっても、桜見ていたら気にならなくなるっていうか。春にしか見れないけど、それが逆に特別感があって毎年見たくなる。おれの癒しなんだ」

ヒラヒラと舞ってきた花びらがあきくんの頭にのった。

「花びらが付いてるよ」

そこに手を伸ばして花びらを取る。彼はわたしの指先にある花びらを見て、頭の後ろに手を置いて口角をグイッと上げて笑った。


< 90 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop