ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
並んでベンチに腰をかけて、一緒に桜を見上げる。続けて同じところに座ると、わたしたちの特等席だなって思う。
「綺麗だね」
ポロッと口から出た言葉。
桜を見たのは今年3回目。回数見てるからかな、桜っていいなって思う。桜が綺麗に咲いているのも、舞い散る姿も、素敵だなって思う。
「綺麗だよね。おれ、桜好きなんだよね」
あきくんの方を見ると、桜を見上げている横顔が視界に入る。あまり意識していなかったけど、鼻筋が通っていて、横顔がとても綺麗。
「そうなんだ」
「うん。嫌なことがあっても、桜見ていたら気にならなくなるっていうか。春にしか見れないけど、それが逆に特別感があって毎年見たくなる。おれの癒しなんだ」
ヒラヒラと舞ってきた花びらがあきくんの頭にのった。
「花びらが付いてるよ」
そこに手を伸ばして花びらを取る。彼はわたしの指先にある花びらを見て、頭の後ろに手を置いて口角をグイッと上げて笑った。