隣の部屋にフランス人

「俺のお父さんは小さなホテルのシェフだから、
いつも働いてる」

「忙しいんだね…」

「うん、だから、俺いつも一人」

「そうだったんだ…」

ちょっと…話の方向が暗い方に行ってない?
もしかして、王子の家族のこと聞かない方がよかったのかな?

「だから、リリーの家で嬉しい!
いつも誰かいるし、みんなでご飯を食べる!」

「……」

「リリー?」

思い返してみると、王子はいつも
私たちと食事をする時、いつも笑顔で
嬉しそうだった。

よく考えてみると、王子はいつも
寂しいとか言ってて
私にくっついてきたりしていた。

最初はチャラいとか思ってたけど、
王子は本当に寂しいんだ!

「ルイはいつも一人だったんだ…
寂しかったよね?」

「俺、子供の時は、動物と一緒だったよ。
俺、寂しくなかった」

「動物?」

「俺、家で一人で、友達と遊びに行けなかったから、
犬と、猫といつもいたよ。俺の友達だった」

ペットってこと?でも動物は話し相手にはならないよね…

「リリーは子供の時、何したか?」

「普通だよ。友達と遊んだり、えっと…
両親とでかけたり…」

「えー!いいなあ!」
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