再会は、健康診断で。

2


初めて西川に手紙を書いたあの日から、俺は西川に二日から三日置きに手紙を高倉さん経由で西川に渡している。


西川からの反応が全然なくて、もしかして迷惑になっているかなって思ったりもした。だけど、高倉さんにちゃんと読んでくれてるみたいだからって励まされて、まだ手紙を書き続けている。


最初の手紙は謝罪と好きだって気持ちを書いたけど、二通目からは謝罪と、小・中学校の頃の思い出を書いている。


あの頃は意地悪ばかりしていたから、俺がどう想っていたかを西川に伝えたくて、あの頃は言えなかった素直な気持ちを綴っている。


西川から反応があったのは、書いた手紙が十通を超えた頃だった。


「お前、今日なにか用事ある?」


金曜日、高倉さんにそう聞かれた俺は首を横に振る。別に用事なんてないけど、高倉さん飯でも誘ってくれんのかな。そう思ってる俺に、高倉さんは満面の笑みを向けてくれる。


「よかったな。西川さん、お前と会ってくれるってさ」


え……会って? 誰が、誰に? 西川が、俺に?


「だから今日定時に上がれ……っておい。平根、聞いてる?」


聞いてるけど……やばい、うれしすぎて、どうにかなっちゃいそう。


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