再会は、健康診断で。

「なんか全然動揺もしてない感じでムカつくね。小学校の同級生とかいう彼と付き合い始めたの?」


黒崎さんのその言葉に私は首を横に振る。平根は毎回私に直球、ストレートな告白をしてくれている。でも、私はまだそれに答えていない。


平根といるとすごく楽しいけど、恋愛初心者な私はいまだにその先には踏み込めずにいる。


「まだなのに、俺にこうされても真顔なくせに彼のこと出しただけで、そんなかわいい顔するんだ。本当にムカつくな」


ん? なんかさっきから黒崎さんキャラ違わない? 誰にでも優しい紳士的な人だったと思うんだけどムカつくとか言った?


「黒崎さん、なんか性格変わってませんか?」


私がそう言うと黒髪をかきあげた黒崎さんが、いつものにこやかな笑顔を浮かべる。


「気のせいじゃない? 西川さん、もうデートはあきらめるからさ。今日、飯付き合ってよ。それくらいはいいよね?」

ずいっと顔を近付けられて私は返答に困る。なんだか黒崎さん怖いし、正直一緒にご飯なんて行きたくない。だけど、断ったらなんとなくまずいことになりそうな気がする。



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