再会は、健康診断で。

「歩ちゃん、俺のあしらいかた上手いから大丈夫ですよ。結構ひどいんだから」


そう言って笑った結城さんが、机に突っ伏したままの俺の頭を叩く。


「いてっ」


「元気なことだけが取り柄のお前が、いつまでも落ち込んでるなよ。西川かえちゃんだっけ? あきらめなきゃまた会えるかもしれないだろ」


ああ、これは励ましてくれてるんだな。そう思うけど、こればかりはそう簡単に切り替えられない。


結城さんのその言葉に、高倉さんもうなずく。


「そうだよ、その子が平根の運命の相手なら、また会えるだろう。会えなかったら縁がなかったと思ってすっぱり諦めるんだな」


それはそうなんだけどさ。西川が運命の相手じゃないなら俺、一生独身確定なんだけど。


あきらめてた恋だった。いつか西川以上に好きになれる人が現れるんじゃないかと思ってた。でも、会っちゃったらやっぱりダメだ。


だけど高倉さんが言うみたいに、会えないならもう諦めるしかないんだよな。


初めて西川に出会ったときのことを、俺は今でも鮮明に覚えている。


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