再会は、健康診断で。

そう、黒崎さんみたいな……。そう思うけど、あれからあれから何度か誘われている黒崎さんとのデートには乗り気になれないでいる。


あんまり話したことのない人と二人っきりなんてハードルが高すぎるし、楽しませる自信もない。


じゃあ平根はどうなのって話だけど、なんてたって同級生だし共通の話題がないわけじゃないもんね。


そんなことを考えていると、どうやら平根の家に着いたらしい。平根が助手席のドアを開けてくれて、まだ降っている雨に濡れないようにパーカーのフードをかぶせてくれる。


「散らかってて悪いけど、どうぞ」


緊張しながらも足を踏み入れた平根の家は1LDKのアパートで、思っていたよりもずっと綺麗だ。


なんとなく平根っぽいその部屋の壁に貼られている写真に気がついてそれに近づく。


野球のユニホームを着てる笑顔の平根は、やっぱり輪の中の中心にいた。それは私の知らない高校時代の平根だ。


「西川、これ使って。着てるやつは洗濯機で……ああ、それ俺の高校時代ね」


平根が私の隣に立って、懐かしそうに目を細めて写真を見つめる。


< 98 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop