再会は、健康診断で。

「っあ、ごめっ。あー、もう俺って本当にダメ」


髪をぐしゃぐしゃとなでて、がんがんハンドルに頭をぶつけている平根にちょっと笑ってしまう。


「……本当になにもしない?」


キスされたこと自体はもう二回目だし、あまりに自然すぎてなんだか怒る気にもなれない。


「がんばるけど、もしかしてキスはしちゃうかも」


素直にそう言う平根をちょっとかわいいなんて思ってしまう私は、どうかしているのだろうか。


それよりちょっと冷えてきたな。このままじゃ本当に二人とも風邪引いちゃう。


ぶるっと震える私を見て、平根が慌てたように車を走らせ始める。


「がんばって我慢するから、うち行こう。やっぱり西川と話したいし、寒いでしょ」


真剣な顔をして車を運転する平根を見て、ちょっとドキドキする。


あんなに嫌いだったのに、こんなふうにドキドキするのは、いったいなんなんだろう。


恋、なわけはないと思うけど。だって平根だし、恋なんてするわけがない。


恋をするなら、絶対に落ち着いた年上の大人の男性がいい。


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