元カレバンドDX
 次の日、3日振りに家の外に出たあたしは、久しぶりの東京で大きく深呼吸をした。

 都会の空気って、たとえ汚れていようともあたしは好きだ。

 際限なく流れる人の波で酔いそうになるのも、また懐かしかった。

 ぎりぎり関東の田舎に戻ったあたしにとって、都会で羽を伸ばすにはいい機会だ。

「ごめ~ん!待った~?出掛けに仕事の電話が入っちゃってさ~」

「ううん、大丈夫だよ!久しぶり!」

 3カ月振りに再会する小巻は、長い髪をばっさりと切って、黒髪ではなくなっていた。

「髪の毛切ったんだ~!色も明るいし~!」

「接客業だからね、明るい印象が大事なんだって」

 そう言って、小巻は白い歯をのぞかせた。

 百貨店の化粧品売り場で、美容部員として働く小巻は、学生の余韻などひとかけらもなく、立派な社会人としての風格を漂わせていた。

 いつまでも学生気分のあたしとは、似ても似つかない。

「とりあえずお茶する?」

「だね!」
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