元カレバンドDX
 帰りの電車の中で、延々と同じことを繰り返した。

 地元の駅に着くと、東京とはかけ離れた殺風景な町並みに、あたしは同化してしまう。

 ため息をつきながら、ホームから改札を出て帰ろうとしたときだった。

「あれ~陽愛ちゃん?」

 自分を呼ぶ声に反応して振り返ると、ひとりの女性が立っていた。

「あ、翔子ちゃん?」

 声を掛けて来たのは、地元の幼なじみの女の子だった。

「すごい久しぶりだね~!陽愛ちゃんが東京行っちゃってから会う機会なかったもんね~」

「そうだね、翔子ちゃんはずっとこっち?」

「うん、就職も近場でしたから、ずっとこっちだよ~あ、とりあえず歩きながら話さない?ご近所さんだし~」

「うん、そうだね」

 あたしと翔子は同じ方向に歩き出した。
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