元カレバンドDX
 それはあたしにとって、青天の霹靂だった。

 一本の電話が、ガラリとあたしの人生を変えようとしていた。

「あ、はい、今日ですか?大丈夫です、お待ちしています。はい、では後ほど……」

 電話を切ったあたしは、少しの間、放心状態になった。

「ちょ、おかーさーーーん!!!!!」

 思い立ったように階段を駆け下りて、居間に向かう。

「大変大変!!ストーンスムースレコーズの人がこれから家に来るんだって!!」

 間違いなくあたしの物語のターニングポイントはここだった。

「どこのどなた?」

「お母さん知らないの!?ストーンスムースレコーズっていったら、超大手のレコード会社だよ!!」

「あら……」

 あたしは、客間の掃除と、お茶とお菓子の用意を頼んで、自分の部屋に戻った。
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