元カレバンドDX
 元気よく答えるあたしに、今度はやれやれという顔をした。

「久しぶりに会いたいって言われたらこれだもんなー。付き合ってるときもちょっと思ってたけど、たまに陽愛ちゃんの考えにはついてけないときがあるよー!!」

 そう言って風太は、チョコレートサンデーをものすごい勢いで食べ始めた。

 風太の可愛さは、相変わらず健在だ。

「で、やってくれるの?くれないの?ストーンスムースレコーズからデビューするチャンスだよ?」

 少しずるいかな?と思ったけれど、やはりうたい文句はこれしかないと思った。

「今のバンドのことが心配なの?」

「それもあるけど……」

「そういえば、大学卒業したらどうするの?」

 卒業後の進路が決まっていないことを知っていて、あえて言うあたしって、実は悪魔なのかもしれない。

「あ、でもね!このことは風ちゃんにしか言わないから安心して!」

 あたしの言葉に、風太は首を傾けるだけだ。
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