元カレバンドDX
 風太と別れて家に帰る頃には、夜の10時をまわっていた。

 あたしは、そろそろかな?と思い、スマホを手に取って2年振りのある人へ電話をした。

 別れても連絡先を消さない主義のあたしは、ある意味彼らにとって脅威なのかもしれない。

「あ、もしもし?久しぶり~!」

 とりあえず出てくれてよかったと安心する。

 電話の向こうの相手は、戸惑っているみたいだ。

「あ、えっと、だれ?」

「えー!ひどーい!!あたしの番号消しちゃったの??」

「あ……」

 特徴あるあたしのしゃべり方は、彼の記憶を呼び覚ましたようだ。

「わかった?陽愛ですけど」

 やべー出ちゃったよ的な雰囲気を電話越しに感じ取る。

「お元気ですか?」

 なぜか敬語口調のあたしに、充晴も「はい、元気です」と丁寧に返してきた。

 そう、あたしは2年前に別れた充晴に電話をしていたのだ。
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