元カレバンドDX
 穏やかな、そして柔らかい表情が、あたしを瞬時に安心させた。

 そんなあたしに、もう迷いなどなかった。

「……うん、いいよ」

 実は密かに“処女コンプレックス”を持っていたし、初めての相手が、大学生になって初めて出来た彼氏で、しかも読者モデル風のイケメンだなんて、最高のシチュエーションではないか。

 裸になって準備をする彼に、あたしはすべてをまかせることにした。

 しかし、“初体験”とは、なかなかどうしてうまくいかないものである。

「い、痛いっ!!!」

 叫ぶあたしに、スバルは「ごめん、もう少し我慢して」と行為を続けた。

「力が入ってるから抜いてみて」

「うん……」

 しかし、言われる通りにしても痛みが和らぐわけでもなく、涙目になりながらもスバルとひとつになりたい一心でがんばった。

 けれど、結局その日は、最後まで繋がることは出来なかった。
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