水泳のお時間<番外編>
そんなことを思いながらも、

あそこで一緒にくっついている女に目が行く。


つーか一緒にいる女は誰だ?

あんな女、今までいたか?


そんなことを考えていると、向こうで瀬戸が、

誰ひとり聞いたこともないような、甘くかすれた声でこう囁いた。


「知鶴」


知鶴…?

知鶴って言うんだ。あの女


どんな女だろうと

よく目をこらして顔を見てみたが


特に深い印象は残らないような

本当に普通の…ふつーの女だった。


まぁ、しいて言うなら、背が妙に小さいわりに、胸は平均の女よりデカそうだ。

いや、今はそんなのどーだっていい。


それより一体、どんな女なんだ?


パッと見ははっきり言って、大人しそうな感じだが

あの瀬戸をあんなに夢中にさせるくらいの女だから、実は相当な床上手なのか?


よく分からないが、その謎が逆に、プライドの高い俺の心に火をつけたのかもしれない。


“知鶴”という女に対して、突然強い興味がわいてきた。
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