white coat



2日目



なかなか下がらない熱にイライラしていた



「ねぇ来飛」


「なに」


「来飛はいつから入院してるの?」


「一ヵ月前くらい」



「えっ、そんなに?」


「俺、死ぬらしいよ」




「…は?」



今なんて言った?



死ぬ…?



どういうこと?



「もう手遅れらしい」

「……え?」



「今の医療じゃどーにもなんねーって」


「まって。…理解できない」



「だから。俺はあともって半年だ」




半年…?



「え?…は、半年?」


「そう」



平然とした顔でそういう来飛



「こ、怖くないの…?」



「怖くねーよ。別に俺が生きてても死んでても変わんねーだろ」


「……」




頭の整理が追いつかない



だって。ってことは、半年後にはもう来飛はいないってことで…



昨日再開したばかりで思い出なんて無いに等しいのに、胸がチクリと痛む



「なんでお前がそんな顔すんだよ」



「だ、だって…」



なんでだろう



…来飛が…死ぬ…




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