white coat



意識がなくなりかけたそのとき

玄関が開く音がした





「…杏乃?」



「…ハァッハァ…ケホケホッ…あ、と」



「え?喘息?」



「う、んケホケホ」


「電話してって言ったじゃん…そんなに俺頼りない?」



色々処置しながらあたしにそういう明音




「ちが、うハァッハァ…」



「ん?」




少しずつよくなる呼吸のリズム




だいぶ落ち着いたきたとき、もう一度口を開いた




「電話しようとしたけど…動けなかった」


「動けない?」



「なんか…痛い…体が痛い」



「熱高いもんな…そっか。ごめんな」



「ううん。

…明音帰ってくるの早くない?」



「うん。まぁ…いろいろあって」




「いろいろ?」




あたしに毛布をかけてくれた明音




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