みんなみたいに上手に生きられない君へ
「本当は、ほんの少しみんなと違う部分があるだけで、おかしくなんかないよ。そんなの関係ないって言いたかった。でも、......」



がっかりしたわけじゃない。
嫌いになったわけじゃない。

だけど、あのときの和也くんがどうしても自分と重なって......。

自分に障害があると認められない彼が、まるで自分を見てるみたいで、辛くなった。



「障害は個性だって言う人もいるけど、私はそんな風に思えない。だって、病気や障害がないほうがずっと楽しく生きられるだろうし、みんなと違うと苦労ばっかり。

私は、色んな人間がいていいと思うし、差別なんてしたくないし、されたくない。だけど結局......普通じゃないと、まわりから浮いて辛い思いするんです。

本当に個性だっていうなら、障害や病気なんて言わないでほしい。おかしい子だっていうレッテルをはられたくない......っ」



むちゃくちゃだ。

私はおかしい。
間違っている。

障害や病気を受け入れて前向きに生きている人はたくさんいるし、それはすごく素晴らしいことだと思う。

みんなが出来ることで私にはできないこともあるけど、私には私のできる事がある、って。

私もそう生きられたらいいのに、頭では分かってるのに。


心の病気なら病気で、カウンセリング受けるなりすれば、改善する可能性もあるし、その方がずっと有意義だ。


だけど、できない。
どうしても、私にはできないんだ。 

はっきりと病気だとレッテルを貼られるのがこわい。

頭では分かっていても、心が拒絶する。
自分の弱い部分を認める勇気がない。
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