最期の時間を君と共に
「うん、話す」

「じゃ、場所移動しましょ?ここじゃ話しづらいわ」

ここは隣町。あまり深くは知らないため、若干癪に障るが彼女の言う通りにしようと決めた。公園に行きましょ、と言われたが全く分からない。だからといって、彼女の後ろをついていくのは嫌だし、どこの公園?と聞くのも嫌だ。とんだ自己中心な野郎なのだ。隣を歩き、全神経を彼女の動きを見るのに集中させ、彼女が曲がりそうだと思えば私も曲がる。そんなことを繰り返し、やっと公園についた。

「深山さん、こんなことでへたばってちゃ誓くんに失望されちゃうわよ」

歩くだけだったらこんなにへたばってないし!全神経を集中させるのがきつかったんだし……。

「この公園、知っていたの?」

綺麗に切りそろえられた雑草。ぼろぼろの滑り台にシーソー、ベンチのようなもの。おまけ感覚で付けられたような砂場。こんな公園全くもって知らない。
< 182 / 281 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop