君の隣で花が散る
これ買おう!

他にも可愛いのはあったけど、これが一番可愛いかった。


「すみませんこれください」

「はい」


さっきも店員と話していたけど、ぼんやりとしか『死に際』が見えなかった。

成長したと思う。

小学生や中学生の時ははっきり見えてしまって買い物が怖かったけど、今は気を抜かない限り『死に際』がぼんやりとしか見えなくなってきた。


本当に良かった。

だけど、いつ気が抜けてしまうかわかんないから怖いのよ。


「お客様......?」

「あ、はいっ!」


ぼーっとしていたみたい。


「すみません」

「お客様の会計400円です。」


財布から百円玉を4枚出す。


「ありがとうございました」


私は頭を下げて貘のキーホルダーを持って、この店を出た。

なんか新鮮な気分。

満喫してる感じがする。
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