君の隣で花が散る
「......起立、礼」


「「ありがとうございました」」


ガタガタと椅子がひき、席を立つ。

すでに準備してあった鞄を片手に、私は教室の外に出た。


私はこの雰囲気が好きではない。

もやもやっとしたものがその辺に黒く渦巻いているようなそんな雰囲気だ。


そんなものを払いたいかのように私は足早になった。



なぜか今日は屋上に行く気にはなれなかった。





~・~・~・~



茜の空に夜の群青の帳がおりはじめていた。


今日の屋上はいつもより長く影を伸ばしていた。

それが空の色と混ざって、いっそう哀しそうに見えた。



何も考えずに歩いていたら、いつの間にか屋上に来てしまっていた。



「どうした?」


教室を一番に出たはずの私よりもなぜか先に屋上に来ていたらしい、れおが話しかけてきた。


「いたんだね」


なぜか悔しかったから、少し驚いたけど私は冷静を装った。


「リハーサルの後、教室に戻らなかったからな」

「うそ?!」

「うそだよ。ちゃんと戻ったよ。
というか席お前の隣だろ。あほか」

「はぁ?!」


あほとはなんだ、あほとは。


そういえば見たような見なかったような......?


「少しはほぐれただろ?」

「え、なにが?」

「怖かったぞ、顔」


本当に?


特に意味はないけど、私は顔をペチペチ叩いた。


「いつもはもっとやる気のない顔だ」

「そうかな......?」


私は今、励まされているのか、けなされているのかわからなかった。
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