君の隣で花が散る
秋もそろそろ終わりに近づき、日に日に寒さが増している。

そんな中、私たちの高校は熱気と活気で溢れていた。



一年に一度の大イベント、文化祭。



新たな友情が芽生えたり、クラスがひとつになったりするこの行事だが、私はできる
だけ関わりたくはなかった。


『死に際』のこともあるし、言ってしまえば面倒くさい。

今までこのようなものに参加したことが、あまりなく慣れていない。

そんな慣れていない 淡い友情や華の青春を謳歌する気はまるでない。

できれば隅っこでこじんまりとして、やり過ごしたかったのに......


私が寝ている間に私もファッションショーでランウェイを歩くことになってしまっ
て、考えただけで胃が痛む。

ファッションショーや劇など舞台を見るために、体育館来るのは強制じゃないみたい
だけど、クラスの誰かが言うにはいつも大体が見に来るらしい。


ああ、恥ずかしい......!


両手で顔を覆う。


「おい」


背中に投げられたれおの声に驚き、手を顔から離す。


「お前、変な人だと思われるぞ」


確かに。

歩きながら手で顔を覆って悶えている人って、他人の目にはそう映っちゃうよね。


「杏花は元から変な人だけどな」


れおはそういって唇の片端を意地悪げに上げた。


う~っ! やっぱりイラつく~!
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