道の果て・・
第4章

奈津

私はまだ、少し期待していた。
夏生が私を探して
くれるんじゃないかと、
そんな淡い期待をいつまでも
捨てれずにいた。

本当は見つけて欲しかった
のかもしれない。
職場も変わらずにいたことや、
新しい家も前の家からは
さほど離れてはいなかった。
心のどこかで彼が見つけて
くれるんじゃないかと
信じていた。

いつまで経っても彼は
現れなかった。
お腹はドンドン大きくなり
初めての出産を控えた私は
不安な日々を過ごしていた。

それでも仕事を辞めるわけには
いかなかった。
赤ちゃんが産まれて
その後、すぐには仕事には出れないこと
今の職場には戻れないこと
そんなことを考えると
お金が必要だった。

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