道の果て・・
私は21歳になっていた。
そしてその日がやってきた。

出産予定日の3日早くに
陣痛がきて、1人で病院へ連絡して
タクシーを呼んで、病院へと行った。

そして私は1人で母になった。

その赤ちゃんを見たときに
私はこれから1人で生きていくんだと
決意した。
この子と2人。

その子には『奈津』と名づけた。
夏生の字を入れようか悩んだが
字を入れれば、また私は彼に
期待してしまいそうで、
なので読みだけは『なつ』と
彼の名前を密かに入れることにした。

奈津は自分の父親に会うことは
きっとないだろう。
私は母親でありながら父親にも
なることを決意した。

今までと同じような仕事をしていては
奈津との時間はなく
生活も苦しいと考えた私は
夜の仕事に出ることにした。
< 40 / 92 >

この作品をシェア

pagetop