道の果て・・

白い家

奈津にはまだ、父親のことは
話していない。
奈津には、離婚したと
嘘を話していた。

それは私なりに悩んだ末に
決めたことだった。

未婚の母の子よりは
離婚したっていうことのほうが
良いと考えたからだった。

私自身が未婚の母ということを
認めたくなかったのかもしれない。

奈津はそれ以上は聞いてこなかった。
あの子は賢い子だから
これ以上、問い詰めてもいいことは
ないと感じてくれたのかもしれない。

その話をしたのは奈津が中学生の
ころだった。
それから1度も父親について
聞かれたことはなかった。

そしてこれからも、奈津は
聞こうとはしないだろう。
彼女なりに考えあってのこと
だと思う。

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