謎は流しておしまい~迷探偵とやめたい助手~(仮)

『集金でーす』って言いたかったけど
素直に
『昨日お会いした遠坂 杏と申します』と、就活用の声を出す私。

『開いてるからどーぞー』
インターホンからそう言われ
ドアノブに手をかけたら

開いてる。不用心。
探偵だからいいの?
机の中に銃を常備してるとか。

いや
あのへタレた畑山さんなら
銃も触れないだろう。
きっとスタンガン程度。

「失礼します」と、事務所に入ると
明るい日差しを浴びて
畑山さんがデスクに向かって座ってた。

紺のニットから白いシャツの襟を出し
私にニッコリ微笑むイケメンさん。
柔らかそうな茶色い髪に触れてみたい。

あぁ
罪作りな顔……顔が良ければ問題ないわっ!

ってゆーか
私のこの性格を切実に治したい。

「座ってて。今、紅茶を入れるから」

「おかまいなく」

畑山さんが席を立った隙に
キョロキョロと事務所をチェック。

広いなぁ。
しっかりした大きなデスク
大きなキャビネット
大きなテレビ
大きな本棚……に

名探偵コナン全巻収納

コナンを飾ってる探偵事務所って
あなた
信頼できますか?

コナン君は大好きだけど

あたしゃ引くよ。
< 20 / 52 >

この作品をシェア

pagetop