謎は流しておしまい~迷探偵とやめたい助手~(仮)

ボロボロのコテコテのビルを想像したけれど
名刺の住所に導かれてたどり着いたのは
なかなか
おしゃれな5階建てのビル。
外壁が黄色で窓枠が白。
かわいいなぁ。

カフェになってる一階の扉を通り過ぎ
2機あるエレベーターフロアの前に立つ。

本当にここなのかな。

案内が書いてある大きなパネルを見ると。
会計事務所や法律事務所
IT関係やら色々事務所が入っていて
その中の3階に

あった。

探偵事務所 j

怪しいけど
駅もコンビニも近くにある
立地条件は最高な場所。

こんな家賃の高そうな場所に借りてるって事は、儲かってるって話?

意外だ。

首を傾げながらエレベーターに乗り
そのまま3階に進む。

ベージュの清潔感溢れる廊下を通って
3階の一番端の部屋が私の目的地。

扉には一文字 j と、書いてある。
jだけじゃわからんだろ。
悪い商売してるみたいじゃん。
せめてそこは【探偵事務所】って書こうよ。

私は扉の前で深く深呼吸をし
インターホンを鳴らすと

『どなたー?』って抜けた返事が返ってきた。








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