謎は流しておしまい~迷探偵とやめたい助手~(仮)
「今まで全部ひとりでやってたんですか?」
潤んだ目の小公女モードからリアルに戻そうと質問。
「えっ?うーん助手はいたよ。いたけど知らないうちに辞めていった」
しれっと言われてしまった。
知らないうちって……。
「みんな一週間もたないんだよね。なんでだろうねー不思議だなぁ」
畑山さんのキャラが濃くて
付いて行けなかったかもしれません
って言いたかったけど
今日の賃金をもらってないので言えない。
私だってこんな
ドリーミーな雇い主はどうかと思うけど
お金がない。
リアルにお金がない私。
踏ん張るしかないのだよ。
「まずは習うより慣れろだよね。そろそろ丁度いい時間だから出かけよう」
畑山さんは自分の紅茶を一気に飲み干して私にそう言った。
「出かけるんですか?」
「そう。ホテル行こう」
「えっ?」
「浮気現場の証拠写真撮影会さ」
簡単に言われたけど
いきなり浮気現場の証拠を撮りに行くの?
まだ来て10分ほどですけど
ハードル高っ!